技術と魚

雑感と備忘録

率直に思いを伝えるタイミングの話

特に仕事では、感情論とかすげー嫌いなので、ロジカルかつ合理的な説明を可能な限り求めてしまう。

 

何なら感情論振りかざすタイプを見てちょっと一線置こうかな程度に冷めた目で見てきた。

 

しかし最近は、経営という立場を通じて、それではダメなタイミングがあると気付き始めた。

 

判断が個人の思いを根拠とするような状況は必ず存在する。

 

普段から、冷笑気味に過ごしていると、いざ思いを伝えないといけない時になると案外言い回しが出てこない。そういう時の表現力が低くなってしまうと、結果説得に失敗してしまうことにつながる。

 

例えば、採用で相手に一緒に仕事したい思いを伝える時なんか、巷ではデータ・ドリブンがどうのという話があるけれども大抵、合理的判断が可能なデータは揃っていない。感覚的であるし、感覚を信じるしかない。

 

「来てくれると、弊社としては助かります」

 

こんなんではダメ。思いを伝えたいのに、主語を会社にしてぼやかしているので気が入らない。助かる、とかも、別になんか居なくてもいいんだけど的な感じだ。

 

「XXさんと一緒に働きたいと率直に感じてます」

 

みたいな言い方のほうがベター。

 

別に経営でなくても、メンバーからマネジメント等、ポジションが空いていて、もっと大きな責任を持ちたいのでやらせてほしいと伝える時、

 

「まあ、出来なくはないっす。」

「やれって言われたらやります」

「会社としてはやんないとダメですよねー」

 

は、任せる側もちょっと無いかな、となってしまう。

 

「個人的に経験をしたいと思っているので、是非自分がやりたいです」

 

みたいに、自分を出す方が、素直に試させてみたいな、と思える。「会社としてやらないとダメだから仕方ないけど〜」みたいなのだと、強い責任感は感じない。それどころかやりたくない風や仕方ない風を装う事で、個人的な思いが伝わってしまうことに対する羞恥心から目を背けようとしているかのようだ。

 

告白みたいなもので、こういう時っていうのは、個人として素直な考えを伝えることが大事になる。

 

普段冷笑気味にしてると、意外なところでチャンスを逃す。